日本は資源大国です。決して小国ではありません。
と言い切ってしまうと話が続きませんね。ですので、今回は資源とは何か、ということを考えてみたいと思います。大辞林によれば「自然から得られる生産に役立つ要素。広くは、産業のもととなるもの、産業を支えているものをもいう。地下資源・水資源・海洋資源・人的資源・観光資源など」とあります。
「など」と言われると整理できませんので、「地上にあるもの」「地下にあるもの」で分けてみたいと思います。
「再生できるもの」文字通り、再生できるものです。辞書のいう「人的資源」「観光資源」や「生物資源」が上げられるでしょう。水資源も、保全すれば湧き出てきますから、上げられると思います。
「再生できないもの」地下に埋まっている鉱物資源や石油・石炭・天然ガスといったエネルギー資源があげられるでしょう。一度使ったら、おしまいという資源です。
じゃあ、海洋資源はどうかといいますと魚など漁業資源は再生可能、海底油田などは再生不可能と考えてください。
日本は資源小国だ、ほとんどの資源を輸入に頼っている、とは小学生でも知っている事実です。それを書くネタが切れて、苦し紛れに何を言い出すか、と言われるかもしれません。ですが、考えようによっては、日本は資源大国だと思うのです。
いままで「資源」といえば、主に地下資源について言うことが多かったように思います。鉄鉱石など金属資源、石油などエネルギー源などですね。これらは工業製品を作り、文明生活を維持する上で欠かせませんでした。それらが無ければ、我々の、いまの生活は成り立ちません。
ですが、最近の傾向から言いまして、資源の枯渇は眼に見えているわけです。原油高は言うに及ばず、やがて世界中の鉱山は掘りつくされてしまうでしょう。現に、一部の宝石類などは良質のものが取れにくくなっているそうです。永久に地下から湧いてくるものではないので、いつかは限界が来てしまうでしょう。
ですが、持続可能な社会、持続可能な経済成長を目指すのであれば、こういった有限資源の多寡は問題になりません。金属は出来る限りリサイクルすることで、半永久的に活用することが出来ます。新しい鉄鉱石を大量に輸入しなくても、需要を賄えるようになるはずです。
石油などのエネルギー源であっても、同様でしょう。原子力、自然エネルギーといった再生可能(原子力は厳密に言えば再生可能ではないですし、廃棄物問題があるので、それほど良いものではないですけど)なエネルギーを使うことによって、再生不可能なエネルギーに頼る割合は減り、問題ではなくなります。
プラスチックのような石油を原料とする材料も、植物を原料としたものが出回りつつあるようです。生分解プラスチックなど、植物原料のプラスチックの中には、地中でバクテリアによって分解されるエコなものもあります。
となれば、他にどのような資源が残っているかといえば「再生可能な資源」ですね。すべてが結局、究極的には「再生可能な資源」に行き着くのではないでしょうか。となりますと、日本が小国だと思われている部分が相対的に軽くなりますので、資源大国は目指せるはずです。人的資源や豊かな自然、文化などが、これからの資源大国には求められるのではないでしょうか。
人間が生きていくうえで重要なのは、やはり美しく豊かな国土であり、そこに住む人間の力であるといえるでしょう。再生可能な資源を育て、来るべき持続可能な社会へと社会を転換していくのが、真の「構造改革」であると思うのですが、如何でしょうか。
別にけなすつもりは毛頭ないのですが、資本金1円で株式会社を設立できるようになったことなど、どの程度の構造改革なのか、是非とも教えていただきたいものです。